いつもどおり、公園に子供の姿は少なかった。
 去年まで入り口付近にあったジャングルジムは、幼児が怪我をしたとかで撤去されてしまった。ブランコは女子たちに占領されている。砂場の横にある大きな木の切り株に、僕のクラスメイトが二人、座っている姿が見える。
「亨、きたきた」
「遅いよ」
 僕は彼らの横に腰掛けながら
「よしながに行ってきた」
 と報告する。
「マジで」
「俺、よしながに行ったら親に怒られる。あそこ明るいうちから酒飲んでる大人ばっかだから」
「うちもうちも」
 どこの家庭も同じだ。子供を危険な目に合わせたくない。まっとうな親心だ。
 公園では野球もサッカーも禁止され、見晴らしを悪くする木は切り倒された。全ては僕らの安全のために。
 僕は切り株の断面に触れる。年輪の中心から放射状に入ったひびは、太陽を描いているように見える。
「ポケモンどこまで進んだ?」
「ちょっとまって」
 ウエストポーチから3DSを取り出す。僕らは寒さに身を寄せ合いながら、ゲーム機の小さな画面に熱中する。