公園へ向かう一本道もいつもと少しずつ違い、だけどよしなが酒店はいつものように扉を開けている。ただ違うのは、そこにたくさんの人の姿があること。
「天使? 悪魔?」
「お守りだったー」
 子供たちが、よしなが酒店の店先でチョコウエハースを開封している。
「ヘッド、どれに入ってるんだろ」
「透かして見えるはずないだろ」
 おまけのシールに盛り上がっている子供たちを、店内で酒を飲んでいる大人たちが笑う。心なし店内がいつもより明るく見える。

「いたっ」
 よそ見をしながら歩いていたら、足元に小さな女の子がぶつかってきた。
「ごめん、大丈夫?」
 その子が落としたリカちゃん人形を拾う。洋服のかわりに、花柄のハンカチがぐるぐると巻きつけてある。
「かえして!」
「お母さんは?」
 頬を膨らませて、リカちゃんをひったくる。幼稚園くらいの子供が一人でうろうろしているのに、それを気にする大人はだれもいないみたいだ。
 僕は知らない子供たちを横目に見ながら、公園への道を歩く。