公園の砂場の横にある樹木は、何本もの太い枝を伸ばしている。そこに実るたくさんのどんぐりと黄金色の葉、それから数人の子供たち。
「おまえ、ジャングルチームか?」
 僕はぼんやりとその少年を見上げる。十一月なのに半ズボンを履いていて、赤いスタジアムジャンパーをマントのように首に巻いている。
「ジャングルチーム?」
「オーちゃん、こいつよそものだよ」
「オーちゃんって呼ぶな。ショーグンと呼べ」
 オーちゃんと呼ばれた少年は、樹の幹にしがみつきずるずると滑り降りてくる。そうして三十センチくらいの高さから飛び降り、片膝をついたポーズを取る。

「名前は」
「亨」
「トールか。俺のことはショーグンと呼べ。お前はジャングルチームのスパイじゃないんだな」
 オーちゃんが公園の入り口付近を見る。ジャングルジムのてっぺんに、眼鏡をかけた少年が座っていてこっちを睨んでいる。
「違うけど」
「よし、じゃあクヌギ軍に入れてやる。来い」
 彼はそう言って、再び樹を登り始めた。