後ろで一つに結んだ髪も、どこか冷めたような瞳も、サユと吉永さんはとても似ていて、二人が同一人物だということを僕は確信する。
「年賀状もう書いた?」
「え? まだ十一月だよ」
 僕の質問にサユが呆れた顔をする。
「そっか、来年って何年だっけ」
「昭和六十一年、一九八六年じゃない」
「そうだよね。知ってた」
「なに言ってるの」
 サユが少し不機嫌になる。ますます小さな吉永さんだ。

「戦闘開始だ!」
 大きな声に顔を上げる。オーちゃんと眼鏡をかけた少年が公園の真ん中で睨み合っている。
「トールなにやってんだ、来い!」
 クヌギ軍のメンバーは樹の下に、眼鏡の子と他数人はジャングルジムの前に散る。
「またケンカしてるの」
 サユがオーちゃんを睨んでヨーヨーを構える。
「ケンカじゃない、正式な戦闘だ。宝箱を先に奪った方が勝ち」
 オーちゃんがクッキーの丸い缶を開く。中には拳銃のおもちゃやシールなんかがたくさん入っている。
「トールもなんか入れろよ」
 僕はウエストポーチからスーパーゼウスのシールを取り出して、缶の中に入れる。